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『北欧のおいしい話』 森百合子さんインタビュー - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2010/12/27

『北欧のおいしい話』森百合子さんインタビュー

Hokuo Oishii newこんなにおいしいのに、知られていないなんてもったいない! ──それが、普段はコピーライターとして活躍する森百合子さんが今秋『北欧のおいしい話』(ブルース・インターアクションズ)を出版した理由だ。フィンランド大使館が2007年に開設したサイト「プロジェクト・フィンランド」の翻訳編集を担当し、プライベートでもフィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどを繰り返し訪れている。旅先で感動した料理や、本を制作するうえでこだわった点などについて、森さんに話を聞いた。

──北欧料理の本を出そうと思った理由について、詳しくお聞かせください。

一般的に北欧というと、あまりおいしいものがあるイメージではないですよね。私も最初は全然期待していなかったんです。情報もあまりなかったし、当時一緒に働いていたフィンランドの人に聞いても「そんなに特別なものはないかなあ…」と消極的な返事だったので。でも実際に訪れてみて、「これはおいしい!」と感動したものがあったんです。最初、夏に訪れた時はアイpotatoes and dillスクリームとイチゴのおいしさがとても印象的でした。レストランで薦められたニシンのソテーも、マッシュポテトとディルの組合せに最初こそ驚きましたが、すごく気に入って。真冬に訪れた時にはサーモンスープやピロシキ、ムイックという小魚のフライなど、寒い季節にぴったりのおいしさに癒されましたね。クリスマス時期だけ登場するスパイスワインのグロッギなんて毎日のように飲んでいました。それから老舗カフェのエクベルグでやっているブランチビュッフェに友人が連れて行ってくれて、パンをたくさん試したんですが、もうどれもこれもおいしくて!

何度も旅行するうちに「なんだ、いろいろおいしものがあるじゃない!」と気づくようになって、そして「せっかくおいしいものがあるのに、知られないままなんてもったいない」と思うようになりました。デザインや雑貨などに関する北欧のガイドブックはたくさんあるのに、食に関するものはほとんどなかったので、ぜひ伝えたかったんです。

北欧では魚をよく食べるんですよね。ニシンやサーモンをはじめ、前述のムイック、さまざまな白身魚など。フィンランドでムイックを最初に見た時は「ヨーロッパの人もこんな小魚を食べるんだ!」と驚く一方で、北欧の食ってじつは日本人には合っているのではないかと思いました。

 ──本を制作するうえで、どんな点にこだわったのでしょう?

Yuriko Mori new著者の森百合子さん

写真を多く、そしてなるべく大きく載せるようにしました。おいしさを伝えるには、魅力的な写真が一番ですから。写真はとにかくたくさん撮りましたね。それから、ただおいしいお店を紹介するガイドブックというよりは、その背景にあるフィンランドやスウェーデンの食文化を伝えたい、という思いがありました。ですから、とくに季節の行事にちなんだ料理や伝統料理を取り上げるようにしていますし、紹介しているお店も老舗や伝統料理のお店が中心ですね。できるだけお店の人とも話して、お店やメニューにまつわる歴史やストーリーについて聞きました。

また旅行の場合はどうしても時間が限られるので、アクセスしやすいかどうかも意識しました。ヘルシンキの場合はトラムで回れる範囲を意識して、マップもなるべく見やすく、わかりやすく、を心がけました。

──フィンランドをはじめとした北欧ならではの料理の特徴は何だと思いますか?

旬の味に敏感なところでしょうか。たとえば新年から春先にかけては魚卵、初夏には新じゃがや青豆、いちごなど、その季節だけの味に対して、良い意味で貪欲だなあといつも感じます。生で食べたり、料理に使ったり、期間が限られているからこそ思う存分に味わうんですよね。あとはシンプルであること。それは調理法もそうですし、たとえばお店のメニューも日本に比べるとそれほど種類が多くないと思います。本でも触れていますが、コーヒーを飲むならプッラとか、ニシンには新じゃがとディルとか、アイスクリームにはイチゴとか、王道の組み合わせがあるんですね。それがずっと受け継がれている。あれもこれもというよりは、本当においしいもの、おいしい食べ方を大切にしている気がします。

blueberries北欧らしい食材といえば、ベリー類ですね。北欧では果物の一種というよりは、「ベリー」という一つのジャンルがあると聞いたことがあります。それだけ種類が豊富だし、食べ方もいろいろです。ケーキやパンだけでなく料理にも使われるし、温かいスープにして飲んだりします。ベリーのお酒もとてもたくさんあるんですよ。

──とくに訪れてほしいヘルシンキのレストランやカフェをあえて挙げるとすれば、どこでしょう?旅行者が、料理を楽しむコツがあれば教えてください。

伝統料理のレストラン、シーホースはおすすめです。インテリアも素敵ですし、気軽に訪れることができる雰囲気もいいです。そして創業時からほとんど変わっていないというメニュー。まさにフィンランドの伝統料理を伝える名店だと思います。ミートボールやニシンのソテーなどはどこでも見かけますが、ぜひシーホースで一度味わってほしいです。

カフェ・エクベルグもやはり老舗店で、店内やお店の人の雰囲気もよいし、ここのパンやお菓子は本当においしいんです。この間、エクベルグでフィンランドのドーナツ、ムンッキを食べたんですが…あのおいしさは忘れられません。そしてやっぱり市場はおすすめです!ヘルシンキではハカニエミ市場がお気に入りです。肉屋、魚屋、パン屋などヘルシンキの普段の食を見るだけでも楽しいし、ランチやディナー用にお惣菜を調達したり、おみやげ探しにも役立ちます。とbread at Hakaniemi 2てもおいしいスープの専門店もあるんですよ。

 北欧は物価が高いので外食が続くとお財布が厳しくなりますが、たとえばホテルではなく、アパートメントタイプの部屋に滞在して、市場やスーパーマーケットなどでお惣菜や食材、パンなどを買ってきて試すというのもいいですよ。それからレストランや市場に行く時は、都市部であればだいたい英語が通じるので、ぜひおすすめを聞いてみてください。旬の魚だとか、おいしい食べ方、組合せなどを教えてくれますよ。

──今後も食に関するお仕事をされる予定ですか?

私は在住者でもないし、プロの料理研究家でもありません。北欧の食については、まだまだ私自身、知りたいこと、教えてほしいことがたくさんあります。日本はグルメ大国で多種多様な国々の料理店や料理本がありますが、北欧料理が実際に食べられるお店、場が増えて、北欧料理のレシピ本や食に関する本がもっと出てきたらいいなと思っています。もちろん私も、できればパート2も書いてみたいですね。

『北欧のおいしい話~スウェーデンのカフェから、フィンランドの食卓まで~』
森百合子著、ブルース・インターアクションズ、1,600円(税別)

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更新 2010/12/27


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