日本でのビジネスに関心のあるフィンランドの中小企業にとって、急速に環境が整いつつある。日本市場参入に関するアドバイスやコンサルティングを行うBusiness Finlandに加え、物理的な場所を提供するのが、東京都港区赤坂にあるScandihub内にオープンしたチームフィンランド・ソフトランディングセンターだ。
外国でのビジネスを考える起業家にとって、大きな問題のひとつがオフィススペースが借りづらいこと。ソフトランディングセンターの開設で、これからはラップトップと携帯があればすぐに仕事を始められる。有料の契約者には机と椅子、ワゴン式のキャビネット、WIFIの使用権が与えられ、弁護士や会計士、通訳といった情報も提供される。
今年初めからBusiness Finland とも呼ばれるようになったフィンランド大使館商務部による支援に続き、更なるサポートが整った形だ。「日本市場に興味のあるフィンランドの中小企業にとって、Business Finlandが最初の窓口になります」と、ユッカ・シウコサーリ駐日フィンランド大使は1月31日、ソフトランディングセンターの設立式で説明した。「もちろん、Business Finlandは他の大使館の部署と協調して機能します。ソフトランディングセンターが開設されたことで、関係者間の対話が更に促進され、より効果的に物事を進められるようになるでしょう」
フィンランドの家具ブランドArtekの色鮮やかな椅子やソファで飾られたソフトランディングセンターには、個室として使えるミーティングスペースもある。最大15名ほど収容可能で、滞在日数に期限はない。市場調査目的で来日した際にも利用できるし、配達や登録のために「住所」のみ使用料を払うこともできる。ソフトランディングセンターの魅力は「フィンランド的な雰囲気のなか、日本でビジネスを成長させることに主眼を置いたネットワークの構築ができることです」と、ソフトランディングセンターを創設したバーバラ・ザモラ=ヴァータヤは言う。「あらゆる成長ステージにいる起業家と出会い、情報交換できます。ビジネスにおける突破口は何だったのか、日本のどの分野がイノベーションに力を入れているのかなどについて話し合ったり、毎月開催される投資家向けのイベントで自分の会社や商品を紹介することができます。ぜひフィンランドの会社に、様々な支援やビジネスチャンスのある日本に来ていただきたいです」