コンテンツへジャンプする
フィンランド外務省

フィンランドのエネルギー政策における原子力の役割 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

フィンランド大使館、東京

〒106-8561東京都
港区南麻布3-5-39
電話: (03)5447-6000
E-mail: sanomat.tok@formin.fi
English | Suomi | Svenska | 日本語 |  | 
文字の大きさ 普通文字の大きさ 大
 
最近の出来事・お知らせ, 2009/04/22

フィンランドのエネルギー政策における原子力の役割

ambyokohama2ヨルマ・ユリーン駐日フィンランド大使は、4月13日~15日に横浜で開催された(社)日本原子力産業協会の第42回年次大会に講演者として参加し、2005年にフィンランドが欧州諸国ではじめて原子力発電所の新規建設を再開した背景について、特に原子力を中心としたエネルギー関連企業や研究機関を代表する約1000名の聴衆を前に講演した。

 

大使の講演の要約は下記のとおり。

長期展望にたったフィンランドの原子力発電

                                          2009年4月14日 日本原子力産業業界年次大会

                                          駐日フィンランド大使 ヨルマ・ユリーン             

フィンランドは西欧諸国の中で原子炉の新規建設を約20年ぶりに再開した最初の国です。気候変動とその影響に対する懸念がフィンランドの国民や政策決定者の間で急速に広がったため、1990年代に大きく高まった反原子力発電運動は、最近になってかなり弱まりました。

フィンランドでは、総電力量の約4分の1が4基の原子炉によってまかなわれています。これらは旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故以前に建設されたものです。現在、1600MWの欧州加圧水型原子炉(EPR)が5基目として新たに建設されています。

さらに、フィンランドのコンソーシアム3社が別に3基の新設を申請しました。フィンランド政府は本年中にその内容を検討し、国会に提案書を提出します。 

原子力発電所の新規建設は、政府が原発で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処理について「原則決定」をしたことで前進することになりました。高レベルな放射性をもつ使用済燃料は、フィンランド西部沿岸部にあるユーラヨキ自治州の岩盤地下500mに永久保存されることになります。稼働中のオルキルオト原子力発電所も同自治州にあります。使用済核燃料の最終処理について決断をしたのは、現在のところ世界中でフィンランドだけです。

フィンランド政府や企業は、今後は特に電力需要が増大することを予測し、原発の増設は不可欠と考えています。製造事業者も電力会社も、原子力の重要性がこれから何世紀にもわたり高まっていくことを十分理解しています。国際エネルギー機関(IEA)によると、フィンランドはIEA加盟国の中で最もエネルギー経済が多様化した国であり、フィンランドは、この高度に多様化したエネルギー経済を今後も維持していきたいと考えています。なぜなら、エネルギーの安定供給や適正価格の維持は、ロシアから天然ガスや電力の輸入を増やすことではなく、国内発電量を増やすことで保障されるからです。

フィンランドの製造部門は、過去も現在もエネルギー集約型産業です。とりわけ製紙業や鉄鋼業などの産業分野ではエネルギーを多く必要としてきました。製造部門によるエネルギー消費は全体の35%を超えています。これは日本とほぼ同じレベルですが、エネルギー消費が少なく、サービス部門の割合が高い国に比べると、フィンランドのエネルギー消費量はやはり高いといわざるをえません。

フィンランドでは、市民も政治家も、原子力発電に対して比較的深い理解(パブリック・アクセプタンス)を示してきました。政府は、原子力発電所を今後更に増設することに前向きの姿勢を見せてはおりますが、何基まで増設することになるのかは現在のところ明らかではありません。世界的な経済危機は、少なくとも短期的にはエネルギー消費を抑制し、そればかりかエネルギー効率を向上させるかもしれません。フィンランドで原子力発電に対するパブリック・アクセプタンスが高い背景には、関係者が情報開示を優先させてきたことがあります。フィンランドでは、稼動中原子炉の安全に関する情報公開は国際的にみても進んでおり、それが高いパブリック・アクセプタンスに貢献しています。

実際、フィンランドでは、「原子力発電所の増設」と「再生可能エネルギーの促進およびに研究」において政治的関連性があるようです。フィンランドでは、前者の発展のためには、後者に資金を注入する必要があることが認識され、実行されてきました。ただ、フィンランドの地形的条件は、風力発電には適していません。国内で利用できる再生可能エネルギーの資源になるものには、バイオマスエネルギーと林業廃棄物があり、それぞれ、全エネルギー消費量の28%と20%を占めています。今後、泥炭の占める割合は減少すると予想されています。

 

このページを印刷する

本ページの表示

更新 2009/05/26


© フィンランド大使館、東京 | 本サイトについて | 連絡先