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フィンランド外務省

フィンランドの核廃棄物:安眠場所を求めて - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2011/10/18
© Posiva

「オンカロ」内では、段階的な掘削作業の合間に岩盤調査が行われている。

フィンランドでは目下、世界初となる高レベル放射性廃棄物むけ地層処理場の建設が進んでいる。地下420mの深さにある施設につながるトンネルも既に掘削作業が完了した。

フィンランドでは、原子力発電所から生じる核廃棄物(使用済み燃料棒)から放射性微粒子が絶対に生物圏に届かないようにする多重バリアこそ、核廃棄物の最終処分になると考えられている。

原子力エネルギーを利用している41カ国の中でフィンランドは真っ先に核廃棄物むけ最終保管場所の準備にとりかかった。「オンカロ」と呼ばれる最終保管所は、フィンランド語で「洞窟」を意味する。米国とスウェーデンでもフィンランドと協力して同様な施設をつくる計画が進められている。

1980年代初期、フィンランドの原発事業者は核廃棄物がいずれどこかで処分されなければならないことに気がついた。フィンランドには現在、西沿岸部にあるオルキルオトと南沿岸部にあるロヴィーサの2ヶ所に原発がある。 

 

Onkalo entranceトンネルへの入り口。岩盤に挟まれた曲がりくねった地下道を420m以上の深さまで進む。 © Posiva.

「私達は現実的な考え方をします。放射能廃棄物を生じさせれば、その安全な処理についても責任をとる必要があることは当時から解かっていました」と、ポシヴァ社のティモ・アイカス副社長は語る。同社は、フィンランドの核廃棄物処分施設プロジェクトを1995年から担当している

1996年以前、フィンランドの原発で生じた使用済み燃料はロシアへ移送され再処理されていた。1994年、フィンランド議会は原子力エネルギー法を改正し、放射性廃棄物の輸出入および国外での再処理を禁止した。高レベル放射性廃棄物を国外に持ち出さない代替案として、オルキルオトにあるTVO社と(ロヴィーサにある)フォルタム社の原発から生じる核廃棄物はオルキルオトから400km離れたロヴィーサの仮保管所に移し、50年の冷却期間を経て、花崗岩の岩盤に奥深く永久に埋蔵することが決められた。

将来的には、TVOとフォルタムの使用済み燃料は、ボスニア湾を望むのどかなオルキルオト半島にあるエウラヨキという町に移される。原子力エネルギーに前向きなエウラヨキは、オンカロの建設を受け入れることにしたのだ。

最適な場所

TVOとフォルタムの子会社として誕生したポシヴァは、2004年にオンカロの工事に着手した。だが、同社によるフィンランド全土を対象にしたオンカロの候補地選びは、
既に1983年から始まっていた。地質学的、水文学的、地球化学的調査が必要だったからだ。

「フィンランドでは、結晶質の岩盤という選択しかありません」と、アイカス氏は説明する。「2000年まで継続した長期調査の結果、調査対象になった場所は全て、科学的にも技術的にも、とても似かよっていました。どこも安全な保管場所としての条件を満たしていたのです」

「オルキルオト半島には既に原子力発電所とインフラがありました。使用済み燃料がオルキルオトに蓄積されることも解かっていました。すなわち、オンカロをオルキルオトにつくれば、(放射能廃棄物の)移動距離が少なくてすむのです。一方、ロヴィーサの原発ではかなり低レベルの核廃棄物しか生じません」

多重安全バリア 

Waste disposal capsule使用済み核燃料は、黒鉛鋳鉄でできた蜂の巣状の筒に納められた後、純銅製のカプセルに保管される。 © Posiva.

核廃棄物の最終処理は、複数の技術的ソリューションを組み合わせた多重安全バリアを基盤としている。まず、使用済み燃料を黒鉛鋳鉄でできた蜂の巣状の筒に格納する。次に、黒鉛鋳鉄の筒を、純銅製のカプセルに入れる。カプセルの回りは、耐水性のベントナイト粘土をバター状にしたもので覆う。そして、その外側を、非感温性で安定した花崗岩という自然のバリアが守る仕組みになっている。

そこでは放射能漏れは少なくとも10万年は防止される。核廃棄物の入ったカプセルは、ベントナイト粘土に守られながら、花崗岩を掘削したり爆破したりして地下420mの地点に設けられた円錐形の縦抗に閉じ込められるからだ。

果たして、次に氷河期が到来したとき、多重バリアは機能するのだろうか。人類史上、永遠に壊れることのない建築物はつくられていない。だが、スカンジナビア半島の岩盤は、ヨーロッパの岩層の中でも最も古い。

フィンランドの花崗岩の安全性について問われたポシヴァ社の地質学者は「少なくとも180万年前から現在に至るまでは大丈夫でした。その間、地質にひずみが起こる時期も何度か繰り返されましたが、フィンランドの花崗岩には大きな影響がでませんでした」という。

2020年までに準備完了 

Release barriers 多重バリア:(1)トンネルの埋め戻し材、(2)ベントナイト、
(3)純銅キャニスター、(4)岩盤 © Posiva.

オンカロへつながるトンネルは完成し、現在、地下の調査施設のような役割を果たしている。2つの換気抗と従業員用通路もまもなく完成する。そして、2012年には実際の核廃棄物最終処分場の建築許可申請が行われることになっている。

その次の段階として、核廃棄物をカプセル化する工場を完成させ、カプセルを埋め込む円錐形の縦抗をつくる。全てが順調にいけば、ポシヴァ社は2018年に政府に対して処分場の操業許可申請を行い、2020年には操業が開始される見込みだ。

核廃棄物最終処理場の予想建設費は総額で30億ユーロに達するという。処理場は、操業開始後100年は追加の廃棄物を受け入れ、その後、永久に封鎖される。オンカロと同様な施設が他にも建設されるかどうかは、時間の経過を見るしかない。。TVOとフォルタムの他に、フェンノヴォイマ社が原子力発電事業に参入した。フェンノヴォイマは今後6年以内にポシヴァと契約を結ぶか、もしくは、独自の核廃棄物最終処理場をつくる計画を政府に提出しなければならない。

(ポシヴァ社へのリンク http://www.posiva.fi/en

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更新 2011/10/18


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