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自治体と地元がとりくむエネルギー対策 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2014/02/28

自治体と地元がとりくむエネルギー対策

写真: Petteri Mäntysaari/Vastavalo
カーボン・ニュートラルな地方自治体」プロジェクトによって、温室の暖房に、化石燃料の代わりにバイオ燃料である木屑が利用されるようになった
『カーボン・ニュートラルな地方自治体』プロジェクトによって、温室の暖房に化石燃料の代わりにバイオ燃料である木屑が利用されるようになった

フィンランドの先駆的な5つの地方自治体は、5ヵ年計画を通して温室効果ガスの排出量を激減させることに成功した。このプロジェクトは5自治体から広がりを見せはじめている。

2008年、『カーボン・ニュートラルな地方自治体』(Canemu)プロジェクトがフィンランドで始動した。自治体や企業、研究者、市民が一体となって、地球温暖化ガスの大胆な削減を目指すという試みだ。

クフモイネン、ミュナマキ、パダスヨキ、パリッカラ、ウーシカウプンキの5つの自治体は、2030年までに温室効果ガスの排出量を20%削減するという目標を掲げた。フィンランド政府やEUの目標を上回る数字だ。「野心的な数字ですが、達成する可能性はかなり高いと考えています。もちろん、さまざまな措置をとらなければなりません」とプロジェクトのコーディネータを務めるフィンランド環境研究所のユリ・セッパラ教授は言う。

「試算では、5つの自治体の温暖化ガスの排出量は、2013年4月現在、2007年比で既に1割以上減っています」 

地域の係り合いと創意工夫

写真: Ari Andersin/Vastavalo
5つの自治体では、郊外に新築される別荘や住宅の多くにソーラーコレクターが設置される予定だ
5つの自治体では、郊外に新築される別荘や住宅の多くにソーラーコレクターが設置される予定だ

プロジェクトに参画する自治体では、地域熱供給向けの燃料を化石燃料の石油から木屑等のバイオ燃料に切り替えた。木屑の活用は、農業地区の、特にエネルギー消費の高い温室や穀類を乾燥貯蔵するサイロでも増えている。同時に市民に対する広報活動も効果を見せ、家庭での温暖化ガスの排出量削減にさまざまな工夫がされるようになった。「自治体のアドバイスを取り入れることで、家庭での排出量を20%以上減らすことが可能と解かりました」とセッパラ教授はいう。

プロジェクト関連の排出量調査、エネルギー効率に関する研究、再生可能なエネルギー資源の活用に弾みをつけるため、公共の資金が投入されている。だが、最も大切なのは、地元企業や地元民の当事者意識と創意工夫だと教授は強調する。

概算によると、プロジェクトに参画する自治体の中で最大規模のウーシカウプンキ(フィンランド西部沿岸部の街)では、既に20%の削減を達成している。地元の企業Sybimar社は、廃棄物からエネルギーへの転換、温室栽培、魚の養殖、バイオディーゼル燃料の生産という4部門を統合した独創的なシステムを構築した。廃棄物とエネルギーと栄養素という限定的なシステムの中で、全てを再循環し、素材の使用と温暖化ガスの排出を最低限に抑えることに成功している。

雪だるま式効果

写真: Pekka Sakki/Lehtikuva
化石燃料よりもペレット型の木屑を燃やす方が環境への負荷は少なくて済む
化石燃料よりもペレット型の木屑を燃やす方が環境への負荷は少なくて済む

5つの自治体の成功例は、他の自治体も早々と評価しはじめている。「今まさに、雪だるま式効果が表れているところです!」 と、セッパラ教授は喜ぶ。新たに5つの自治体がプロジェクトの次の段階から参加することを決めた。その中でもロホヤ、ラーセポリ、ハンコ、シウンティオは、ヘルシンキの西側に位置し、現行の5自治体に隣接している。人口は合計で10万人。(訳注:「10万人」はフィンランドでは大きな人口と考えられている。)「フィンランドの優れた環境技術のよい見本になります」と教授は言う。

自治体は交通手段や建築物、農業や食品部門が排出する温暖化ガスの削減も推し進めているが、それらの削減策も加速する公算が高い。湖畔や郊外に新築される別荘や住宅には、ソーラーコレクター(太陽熱収集器)のほか、大気熱や地中熱を利用したヒートポンプが多く設置される見込みだ。在宅勤務が促進され、公立の学校や病院の調理場では、節電やゴミの削減が更に進められるという。風力発電の公園も数箇所設置される。予定されている鉄道路線の電化も温暖化ガスの排出量を減らすことになる。

課題から機会を見出す

写真:Jukka Palm/Vastavalo
フィンランド西部の沿岸に設置された大型風車。こうした風景が今後増えるかもしれない
フィンランド西部の沿岸に設置された大型風車。こうした風景が今後増えるかもしれない

ヴィッレ・ニーニスト環境大臣は、『カーボン・ニュートラルな地方自治体』プロジェクトは地方自治体と民間企業と市民の三者間の模範的連携だと評価する。「温暖化ガス排出量の削減を目指すこのモデルは、他の地域でも採用されるべきです。自治体と住民による日々の選択が環境に優しい国づくりに大きく貢献するからです」

大臣はまた、このような気候変動に配慮した活動が社会的にも経済的にも好影響を及ぼすと考える。「プロジェクトに参画している地方自治体は、温暖化ガスの排出量を減らしているばかりか、将来に向けた職の創造もしていることになります」

「プロジェクトは、ネットワーク作りの場や公開データバンクを拡大しています。プロジェクトのもつ環境に配慮した、実践的で優れた考え方をフィンランド国内、そして国外に伝えるためです」と、セッパラ教授の発言に熱がこもる。「前向きに考えることは有益です。気候変動の影響を緩和する必要を問題としてではなく、機会として捉えるのです」

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更新 2014/02/28


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