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最近の出来事・お知らせ, 2014/05/13

データセキュリティの最前線で戦うフィンランド人

By David J. Cord, February 2014

Photo: Joel Saget/AFP Creative/Lehtikuva
Data security, Blancco CEO Kim Väisänen, Joensuu, Tampere University of Technology, erasure, erasing, President Sauli Niinistö, Finland
削除したと思っても、コンピュータ回路に残るデータの残骸に誰かがアクセスすることは可能だ。This is Finland は、データセキュリティに真摯に向き合うフィンランド人から話を聞いた。 

それは、悪夢のシナリオだった。1997年のこと、フィンランドのある病院が3000人以上の患者の記録が保存されたままのコンピュータを誤って売却してしまったのだ。だが、ヤンネ・テルヴォとキム・ヴァイサネンは、その事故をきっかけに、人や企業には自分たちのデータを守る方法が必要であることに気がついた。

テルヴォやヴァイサネンをはじめ、フィンランドの研究者、教育関係者、ビジネスマンは今日も、データセキュリティに係る問題の新たな解決法の開発を続けている。

二人は、フィンランド東部はロシアとの国境に近いヨエンスー市にBlancco という会社を立ち上げた。現在、世界各地に15の支店を展開するようになった同社は、データの消却を専門とする。個人や企業がコンピュータやモバイル機器から情報を完全に削除できるようにするのだ。顧客リストには、欧州委員会や北大西洋条約機構(NATO)をはじめ、数多くの金融機関が名を連ねる。

記憶データは、なかなか消えない

Photo: Martti Kainulainen/Lehtikuva
Data security, Blancco CEO Kim Väisänen, Joensuu, Tampere University of Technology, erasure, erasing, President Sauli Niinistö, Finland
2013年、サウリ・ニーニスト大統領(右)は、Blanccoの業績を称えて国際化賞を同社に授与。授賞式に参加するキム・ヴァイサネンCEO (中央)とミカエル・ロシュナー会長。

「企業のほとんどはデータ消去の重要性に十分な注意を払っていません」と、BlanccoのヴァイサネンCEO  は残念がる。「データ消去に関しては、『知らぬが仏』といえるでしょう。Blanccoの私どもは宣教師のように、データを完全消去することの重要性を啓蒙しています。」

単純な事実だが、ほとんどの人はデータがどのように保存され、消去されるのか、留意していない。削除したと思ったものも回復可能かもしれないのだ。

「デバイスにいったん保存されたものは、きちんとした手順を踏まないことには永遠に残ります」とヴァイサネンは説明する。「技術の進化した現在、記憶とは、消し去ることが難しい容赦ないものと言ってもおかしくないでしょう。」

技術の進化にともない、データはモバイル機器やクラウドに保存されるようになった。Blanccoは、絶えず変化する環境に素早く順応する必要に迫られてきた。スマホ向けのBlancco Mobileは最新サービスのひとつだ。また、記録を選択的に削除できるような画期的なソリューションも開発した。

「例えばクレジットカード。カードでの支払い手続きが済んだ後、カード番号をデータベースから削除することができます」とヴァイサネン。「カードを取扱う店等のコンピュータがハッカーの攻撃を受けた場合を想定し、カードの不正使用を防ぎ、被害を最小に食い止めるための措置です。」

多くの政府がデータセキュリティの重要性を理解し、違反行為に罰金を科していることをヴァイサネンは評価する。データセキュリティは、政府がイニシアティブをとる「トップダウン」のやり方もあるが、教育機関を介して「ボトムアップ」で強化することも可能だ。

ハード面とソフト面の安全対策

Photo: creativity103/flickr, cc by 2.0
Data security, Blancco CEO Kim Väisänen, Joensuu, Tampere University of Technology, erasure, erasing, President Sauli Niinistö, Finland
データ・セキュリティ関連にはさまざまな問題が存在する。
特許の申請を予定中? ネット検索したことで、研究テーマが外部に漏れてしまうことも。

フィンランド中部にあるタンペレ工科大学のサムリ・ペッコラ教授は、学生はデータセキュリティに高い関心を寄せているが、大切なデータが損なわれたり、第三者から調査されたりする可能性について、必ずしも認識しているとは限らないという。

「仮に研究者がインターネットで特許情報について検索をしたとします。すると、検索者の研究テーマについて痕跡が残ります。データベースの所有者は、『テーマ』を簡単に再現したり推測したりすることが出来るかもしれません。それどころか、研究に関するかなり専門的な詳細まで把握することができるかもしれないのです」とペッコラ教授は説明する。「または、インターネットサービスが不意にダウンしたり、 PC、タブレット、モバイル機器等の端末からサーバーまでの一連のやり取りを監視されたりする恐れがあります。」

ペッコラ教授によると、フィンランドでは、データセキュリティとプライバシー問題は、二つの異なる方法で対処されているという。

「フィンランドは『ハード』の技術面でかなり強いと思います。F-Secureや  Stonesoft、 SSHといった会社は、研究調査結果を商品化して大成功しました。フィンランドでは同時に、経営や教育、またデータセキュリティの『ソフト』な面に関する研究もかなりされてきました。」

フィンランドの企業と大学は伝統的に強いパートナーシップを結んできた。データセキュリティに関するハードとソフトの両方で、タンペレ工科大学はその伝統を受け継いでいる。

「学生は民間会社の情報セキュリティについて評価を行なっていますが、これは学生、企業、大学の三者にとって有益です。学生にとっては勉強の機会となり、企業にとっては評価を受けて、問題解決の方法を知る機会となります。大学の研究者もまた、情報セキュリティ管理に関する最新のデータを得ることができます。」

「不正購入、ID窃盗、恐喝、金融犯罪など、個人情報悪用の例は嫌という程たくさんあります。タンペレ工科大では、情報セキュリティについて学ぶ学生が、技術面ばかりでなく、全ての面について完全に理解するよう務めております。」

関連リンク

Blancco
Tampere University of Technology

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更新 2014/05/13


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