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ムーミンの生みの親、トーヴェ・ヤンソン生誕100周年を祝う - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2014/07/22

ムーミンの生みの親、トーヴェ・ヤンソン生誕100周年を祝う

By Peter Marten, March 2014

Photo: Finnish Nat’l Gallery/Yehia Eweis, © Tove Jansson Estate
Celebrating Moomin-maker Tove Jansson
トーヴェ・ヤンソンが1947年に手がけた壁画「Party in the City」。
トーヴェも手前のテーブルに座っている。グラスの横には、ムーミンが...

今年2014年は、トーヴェ・ヤンソン生誕100周年。ヤンソンは、ムーミンの冒険物語と挿絵の作者として世界的な名声を得るようになったが、他にも多くの才能に恵まれていた。ヘルシンキのアテネウム国立美術館では、その多才ぶりを紹介する大規模な展覧会が開催されている。

非凡な人生をおくったトーヴェ・ヤンソン(1914~2001)は、今日でもフィンランドで最も愛される芸術家であり作家だ。大人気のムーミンキャラクターは、トロールとは呼ばれても、驚くほど人間的で欠点もある。哲学的なせりふも吐き、幅広い年齢層の読者を魅了し続けている。

ムーミンキャラクターは、まず小説に登場し、続いてコマ割漫画、最終的にアニメ映画で紹介された。ヤンソンは、1940~1970年代の40年間、母語であり、フィンランドの公用語のひとつであるスウェーデン語でムーミンシリーズを執筆した。初めて英語に翻訳されたのは1951年。フィンランド語版が出版される数年前のことだった。

Photo: Tampere Art Museum, © Moomin Characters
Celebrating Moomin-maker Tove Jansson
ムーミンシリーズの挿絵。馬上のスナフキン(左)とキャンプファイヤーを囲むムーミン一家。制作年不明

シリーズの中で最初に英訳された『ムーミン谷の彗星』の目次を見るだけで、スリル満点の冒険、各キャラクターの際立つ魅力、奇妙な行動、哲学的な洞察を味わうことができる。
「ムーミンとスニフ ひみつの道から海に」、「ムーミン おそろしい植物からスノークのおじょうさんを救う」、「ひからびた海を渡る不思議な旅」、「いなごの大群」、「コーヒーパーティ」、「第12章、すなわち物語の終わり」など。洞窟、地下を流れる川、天文台、森でのパーティ等が物語の舞台だ。

ムーミン物語を超えて

Photo: Per Olov Jansson/Moomin Characters
Celebrating Moomin-maker Tove Jansson
トーヴェ(左)とパートナーのトゥーリッキ。二人は毎年夏のほとんどを南フィンランドの小島で過ごした。群島と海はヤンソンの作品にもよく登場する

ヤンソンが大人むけにも小説や短編を執筆したことは、あまり知られていない。ここ数年、英国の出版社Sort Of booksは、こうした作品の英語版を新たな装丁で出版している。初めて英訳されたものも含まれている。

作家のアリ・スミスは、『フェアプレイ』の序文で次のように述べている。「彼女なりの静かな作法ではあるが、ヤンソンは大人むけの作品でもかなり過激な表現や題材を用いた。」「ヤンソンの明晰な文体は神秘的な透明感を醸し出し、ヤンソンの本には文学の世界で通常あまり登場せず、場を与えられることがない人々が描写された。」

『フェアプレイ』は、40年以上にわたりヤンソンのパートナーだったトゥーリッキとの生活にもふれた自伝的作品集だ。Sort of社はその他にも、傑作として知られている『少女ソフィアの夏』 や『彫刻家の娘』、その他4作品を出版している。

2014年12月には、Penguin社からトゥーラ・カルヤライネンによるヤンソンの新たな伝記Tove Jansson: Work and Love が出版されることになっている。フィンランド語版はTammi社からTove Jansson – Tee työtä ja rakastaが出版される。作家として、また視覚芸術家としてのヤンソンの多面的な経歴の本質に迫るほか、彼女の大胆な生き方が紹介されている。当時、スキャンダラスなことと見なされた同棲や、同性との関係。こうしたヤンソンの行動は、1940~1950年代のヘルシンキで公然の秘密であったが、一歩間違えば、投獄や精神病棟で監禁されていたかもしれない。

画家として

Photo: Finnish Nat’l Gallery/Yehia Eweis, © Tove Jansson Estate
Celebrating Moomin-maker Tove Jansson
自画像「毛皮の襟巻き」

多くのムーミンファンが知らないヤンソンの才能の一つに、画家としての経歴がある。ムーミンシリーズや大人むけの小説が結果として成功したにもかかわらず、ヤンソンは生涯を通じ、画家であることを自分の天職だと考えていた。生計を立てるために、政府や企業が所有するさまざまな建物に記念壁画を描いていた時期もあった。

1950年代、フィンランドにも抽象主義の波が押し寄せた。カルヤライネンによると、ヤンソンは優れた抽象画を残したが、抽象主義にすぐさま飛びつくことはなかった。ヤンソンが絵画でも文学でも「もともとストーリーテラーだった」ことが背景にあるのではと、カルヤライネンはインタビューで語った。

20世紀中ごろのヘルシンキの芸術界。けっして偏見のない世界ではなかった。ヤンソンの語り手としての才能、成功、多才さは、ある程度の嫉妬も招いた。ヤンソンは1950年代のほとんどを英国紙Evening Newsむけにムーミン漫画を連載することで自身の生計と芸術を支えた。「ヤンソンはヘルシンキで他の芸術家に会うと批判的なことばかりを言われていました。商業主義に魂を売った、という中傷の電話がかかるようになり、番号を変えたことも」と、カルヤライネンは言う。

「今日では信じられないことですが、当時はそうだったのです。」

アテネウム国立美術館の大規模なトーヴェ・ヤンソン展   

期間:2014年3月14日~9月7日
キュレーション:トゥーラ・カルヤライネン

ヤンソンによる絵画やスケッチ、風刺漫画、ムーミンのコマ割り漫画、イラスト、人形など、幅広いコレクションを展示。

カルヤライネンは個人収集家が所有するヤンソンの絵画作品を求めて、世界をめぐる。今回のヤンソン展では、一般公開されることが珍しい作品も紹介されている。1930年代に制作されたあまり知られていない作品をはじめ、1960年代の抽象画、また50年にわたって描かれた自画像の展示も見逃せない。

追記:

本文中で紹介した、フィンランド国立美術館、アテネウムで開催中の展覧会が、トーベ・ヤンソンの大回顧展『生誕100周年トーベ・ヤンソン展 ムーミンと生きる』と題し、10月23日横浜を皮切りに日本5会場を巡回。 

2014年
10月23日- 11月30日 そごう美術館、神奈川県横浜市
12月13日 -2015年2月15日   北海道立帯広美術館
2015年
2月28日- 5月6日    新潟県立万代島美術館
5月23日- 7月 5日     北九州市立美術館 分館、福岡県
7月25日- 9月27日  あべのハルカス美術館、大阪

タンペレ市立美術館・ムーミン谷博物館より200点の原画・習作が展示される
『Moomin!ムーミン展』が4月16日の松屋銀座を皮切りに日本全国10会場を巡回中。

2014年
4月 16日-5月 6日      松屋銀座、東京都
5月10日-6月8日     Nanak,  岩手県盛岡市
6月 14日-7月 13日    米子市美術館、鳥取県
7月 23日-8月 4日      丸井今井札幌本店、北海道
8月 8日-9月 6日        広島県立美術館
9月13日-10月26日 米沢市上杉博物館、山形県
12月11日-25日           あべのハルカス近鉄本店、大阪府
2015年
1月2日-2月15日     みやざきアートセンター、宮崎県
3月20日-4月19日   岡山県立美術館
4月25日-5月17日 松坂屋美術館、愛知県名古屋市

トーヴェ・ヤンソンの誕生日8月9日は日本では「ムーミンの日」ムーミンの日とされ、ムーミン関連の企業や機関が中心となって、イベントを開催している。(参加応募受付期間終了)

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更新 2014/07/16


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