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脚光を浴びるフィンランド文学 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2014/10/15

脚光を浴びるフィンランド文学

By Rebecca Libermann, September 2014

Photo: Toni Härkönen
Finnish literature, Frankfurt Book Fair 2014 Guest of Honour, Finland Cool, Finnish Weird, Sofi Oksanen, Katja Tukiainen, Johanna Holmström, Katja Kettu, Johanna Sinisalo, comics, graphic novels, Tove Jansson, Ilkka Remes
「書くことは存在すること」-ソフィ・オクサネンは最も世界的に著名な近代フィンランド文学の担い手。また、自分の意見をはっきり表現する作家でもある

2014年10月に開催されたフランクフルト・ブックフェア。500年の歴史をもつ世界最大の書籍見本市でフィンランドは今年、主賓として脚光を浴びた。フィンランド人作家による作品はかつてないほど、さまざまな言語に翻訳され世界中で出版されるようになった。

インスピレーションの泉となる清らかな自然、変化に富んだ歴史、読書好きの国民。ハイテクの国となったフィンランドが、優れた作家を輩出するのは、ほぼ宿命なのだろうか・・・。比較的歴史の浅いフィンランド文学にとって、フランクフルト・ブックフェアは大きな国際的躍進を意味する。

Illustration: Katja Tukiainen 2010
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カティヤ・トゥキアイネンのコミックは「女の子の挿絵と物語がパワフル」と、フィンランド文学情報センター(FILI)の担当者。

ブックフェアは、参加者の規模からみてもユニークだ。 10月8日~12日の5日間で、100カ国を超える国から、ジャーナリスト約1万人、出展者7500人、来場者2万7000人がドイツの金融都市にやってきた。テーマ「Finland. Cool.」の元、フィンランドやフィンランド文学に因んださまざまなプログラムが企画された。

フィンランド文学の特徴は、その多様性にある。児童文学から犯罪もの、コミック、ファンタジー、そして純文学や詩まで幅が広い。「フィンランドには実にさまざまな声、表現、トピックがあります。たくさんありすぎて、全てを列挙することはなかなかできません」と、フィンランド文学情報センター(FILI)の担当者はいう。

若手の台頭: 政治、都会的、グローバル

Photo: Riikka Hurri
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ヨハンナ・ホルムストロームは、スウェーデン語を母語とするフィンランド人作家。著書「Asphalt Angel」は、女性の権利と宗教の問題を取り上げている。

フィンランドからは約60名もの作家がブックフェアに参加した。「書くことは存在すること」というソフィ・オクサネン(Sofi Oksanen)は、フィンランド人の父とエストニア人の母をもち、エストニア史の年代記作者としては右に出る者がない。「記録する作業によって、時間を閉じ込めることができる」というオクサネンは、2010 年に発表された「粛清 」(Purge) 等で世界的に有名だ。また、意見をはっきりと発言することで知られている。

2015年には 「When the Doves Disappeared」の英語版が出版される。
オクサネンは、第2次世界大戦を社会批判的に取扱うフィンランドやエストニアの若手作家の一人であり、仲間にはカトゥヤ・ケットゥ(Katja Kettu) やチェル・ウェスト(Kjell Westo) 等の人気作家がいる。

「最近では、個人のミクロ視点からみても、かなり政治的なものが頻繁にテーマになっています」とフィンランド文学センター(FILI)の文学プログラム担当者は感じている。

最近のフィンランド文学は全体的にはよりグローバルで都会的に、ある意味では風刺的になった。現在社会の課題、そして問題に直面する人々にスポットライトをあてているのだ。その代表に、『Asphalt Angeles』の著者ヨハンナ・ホルストロムJohanna Holmström 等がいる。

フィンランドのミステリーと「Finnish Weird」

Photo: Timo Jaakonaho/Lehtikuva
Finnish literature, Frankfurt Book Fair 2014 Guest of Honour, Finland Cool, Finnish Weird, Sofi Oksanen, Katja Tukiainen, Johanna Holmström, Katja Kettu, Johanna Sinisalo, comics, graphic novels, Tove Jansson, Ilkka Remes
作家兼脚本家兼コミック作家のヨハンナ・シニサロは、「Finnish Weird」という新たなジャンルを造った

フィンランドでは毎年90冊ものミステリー小説が出版されている。北欧の他国のものに比べると、フィンランドのミステリーは、より事実に基づいており、土の匂いがし、ユーモアもある。

このジャンルでベストセラーを生み出しているのは、レーナ・レヘトライネン(Leena Lehtolainen)やマッティ・ロンカ (Matti Rönkä)、ペッカ・ヒルトゥネン(Pekka Hiltunen)など。政治的、心理的スリラーを得意とするのは、イルッカ・レメス(Ilukka Remes)やターヴィ・ソイニヴァーラ(Taavi Soinivaara)。カティ・ヒエッカペルト(Kati Hiekkapelto)やアンッティ・トゥオマイネン(Antti Tuomainen)、また、環境活動家兼科学者であり環境スリラーを書くリスト・イソマキ(Risto Isomäki)も人気上昇中の作家だ。

フィンランド独特のSFジャンルも生まれている。従来のSFに奇妙さ、風刺、未来、ファンタジー、北欧神話、時にホラーの要素を織り交ぜた作品群だ。国際的に有名は作家兼脚本家兼コミック作家のヨハンナ・シニサロ(Johanna Sinisalo)は、2010年に「Finnish Weird」というジャンルを確立した。

全体として毎年200作品ものフィンランド文学がフィンランド語やスウェーデン語(フィンランドの公用語のひとつ)から40~50の言語に翻訳されて外国で出版されている。

トーベ・ヤンソンとフィンランドの漫画事情

© Moomin Characters™
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自画像「毛皮の帽子」(1941)トーベ・ヤンソンは画家、イラストレータ、作家(児童文学も含む)として多面的な経歴をもつ。

2014年は、ヤンソンの生誕100周年。圧倒的な成功を収めたムーミンキャラクターの生みの親として知られているヤンソンは、フィンランドでのゲイやレズビアン運動の象徴的存在でもあり、女性漫画などの草分けでもあった。

2014年に12カ国語に翻訳され、出版されたヤンソンの伝記『ムーミンの生みの親 トーベ・ヤンソン』 の著者トゥーラ・カルヤライネンは、「ヤンソンは多才でワーカホリックでパワフル。芸術、人、人生、愛に情熱を捧げていた」と語る。フランクフルト・ブックフェアでもヤンソンやヤンソンの作品は目玉であった。

ヤンソンの功績もあり、フィンランドの漫画市場は、子ども向けも大人向けのものも活気づいている。フィンランドの漫画には、実験の余地がまだ残されており、フィンランド政府も支援を惜しまない。一般に漫画というと男性の読者がほとんどだが、フィンランドの場合は、ヤンソンや他の女性作家、教育の影響もあり、「女性ファンが圧倒的に多い」と専門家はみている。 

北欧ミステリー・フェス2014

フィンランドの女性ミステリー作家レーナ・レヘトライネンらを迎え、以下の日程で北欧ミステリー・フェスが開催されます。詳細はこちらをご覧ください
11月21日(金)19時~ 代官山蔦谷書店 作家のトークショー&サイン会
11月22日(土)13時半~ 立教大学81101講堂 作家のトークショー、翻訳者対談等 pdf北欧ミステリーフェス2014  

リンク

北欧ミステリー・フェス2014
ムーミンの生みの親、トーヴェ・ヤンソン生誕100周年を祝う
日本の編集者、トーヴェ・ヤンソンを語る
トーヴェ・ヤンソンとムーミン物語
Finland. Cool. (guest of honour at Frankfurt Book Fair)
FILI (Finnish Literature Exchange)
Books from Finland
Finnish Weird
Finland’s Comics Centre

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更新 2014/10/22


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