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フィンランド外務省

フィンランド発ノワール・ミステリーが北欧ミステリー・フェス2014に登場 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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フィンランドの人気作家レーナ・レヘトライネンが北欧ミステリー・フェス2014に登場

Nordic Mystery Fes

北欧のミステリー文学が今、日本でも注目を集めている。高まる関心に応え、北欧5カ国の大使館共同で、北欧ミステリー・フェス2014を開催する。フィンランドからはマリア・カッリオシリーズで人気のレーナ・レヘトライネンが来日し、自作や良質なミステリー文学を生み出す北欧の土壌について紹介。また、翻訳者による鼎談や日本の人気作家、堂場瞬一が北欧ミステリーの魅力を語るプログラムも予定されている。

Nordic Mystery event
北欧ミステリーフェスのチラシ

とき:11月22日(土)13:30~18:00 開場13:0
ところ:立教大学池袋キャンパス8号館8101教室 東京都豊島区西池袋3-34-1 www.rikkyo.ac.jp
入場無料 日本語・英語の逐語通訳付き

参加方法: こちらから事前登録要  http://goo.gl/QqSKe5
問合せ:フィンランド大使館広報部 堀内 Tel 03-5447-6000 Fax 03-5447-6042 events.tok@formin.fi

前日11月21日には、前夜祭として、19時より、代官山 蔦屋書店にて北欧ミステリー作家によるトークショーとサイン会が行なわる。http://tsite.jp/daikanyama/event/004404.html 

フィンランド発ノワール・ミステリー

Von David J. Cord, März 2013 -this is Finland

残酷な殺人や血なまぐさい犯罪現場。フィンランドのイメージとは程遠い。だが、小説の世界では別だ。北欧のノワール・ミステリーの国際的人気が高まるなか、フィンランドノワールもジャンルの人気に独特の貢献をしている。

その殺人は特に惨たらしかった。被害者には高位高官の敵が何名かいた。事件を担当する刑事には個人的な問題が山積し、複数の上司から事件を解決するよう―もしくは、未解決のままに―と圧力がかかっていた。聞いたことのあるような筋書きだが、要注意。北欧の犯罪小説は、普通の犯罪ものとは違う。

この10年ほど、北欧を舞台とした犯罪小説はベストセラーになり、大ヒットの映画作品を生んだ。2013年にワシントンのケネディーセンターで北欧5カ国の芸術文化を紹介する「ノルディック・クール」が開催された折も、北欧発の犯罪小説はテーマの一つに選ばれた。

ノワールな世界観

Photor courtesy of J. ThompsonNordic Cool 2013, Nordische Kriminalromane noir, finnische Kriminalromane, Tapani Bagge, James Thompson, Leena Lehtolainen, Jarkko Sipilä, Helsinki, Finnland
アメリカ人作家のジェイムス・トンプソン。長年暮らしているフィンランドが犯罪小説の舞台だ。

アメリカ人作家のジェイムズ・トンプソンは、在住15年のフィンランドで作家としての地位を確立した。トンプソンの作品には、フィンランドばかりか英語圏でもかなり多くの読者ファンがいる。最新作は、2013年3月に出版されたHelsinki Bloodだ。

犯罪小説とノワール小説には違いがあると、トンプソンはいう。「ノワールは、もっと陰気で、時には反ユートピア的な世界観をもっている。」「物語の始まりでは、バランスがとれているように描かれている世界であっても、そのバランスは暗澹としている。犯罪は解決されるが、その結果として残された世界は以前よりも決していい場所ではない。主人公のおかれた状況も以前と変わらない。少なくとも、良くはなっていない。」

「最後に善が勝つと決まっている訳ではない」と、タパニ・バッゲは説明する。バッゲの作品Punainen varjo (Red Shadow) も2013年3月に出版された。

「(Red Shadowは)犯罪小説よりもハードボイルド。最後には登場人物の多くが死んでしまいます。」

批評家や作家、読者等がノワールの人気の理由を的確に示そうと試みてきた。世界の読者が抱く北欧の福祉国家モデル観に原因があるという意見もある。

だが、もっとシンプルな見解もある。バッゲもトンプソンも、北欧のノワールの人気の元は、文学の質にあると考える。数年前、スウェーデンのスティーグ・ラーソンが書いた「ミレニアム」シリーズは、世界的なベストセラーとなった。そのおかげで、出版社は他の北欧作家も見いだそうと先を争うようになったと、トンプソンは指摘する。

フィンランド発ノワール

Photo: Tomas WhitehouseNordic Cool 2013, Nordische Kriminalromane noir, finnische Kriminalromane, Tapani Bagge, James Thompson, Leena Lehtolainen, Jarkko Sipilä, Helsinki, Finnland
「彼女は社会のルールにいつも従うわけではないけれど、自分なりの価値観を認識しているのです。」
最新作の主人公について語るレーナ・レヘトライネン。

2013年春に英訳が出版された「Her Enemy」の作者レーナ・レヘトライネンは、こう考える。「読者は、自分自身も、小説の主人公も、無力な存在ではないと感じたいのだと思います。

悪者に対して何か対処できる方法がある。自分たちの置かれた状況を変えることができる。かなりの犠牲は覚悟したとしても・・・。」「暗いストーリーですが、主人公にはときどき希望の光が見えてきます。彼女は社会のルールにいつも従うわけではないけれど、自分なりの価値観を認識しているのです。」

北欧発の犯罪文学には一種の特徴はあるが、トンプソン、バッゲ、レヘトライネンはフィンランド発のものは異質だという。

「フィンランド人には共通の歴史があり、ロシアとの長い国境線もあります。それを忘れることはできません。」とレヘトライネン。「東部のフィンランド人には、スウェーデン人よりもロシア人に近い気質があります。フィンランドは確かに北欧の国ですが、ロシアの一部であったことがあります。フィンランド人や私たちの文学は、二つの世界を結びつけるものなのです。」

「フィンランドは、ひねりのある変わった国です」と、トンプソンはいう。「フィンランドの精神文化はエグゾチックで独特で、どの国とも似ていません。フィンランドを舞台にした物語は、読者を新しい領域や今までに想像したことのない世界に引き込みます。」

「フィンランド人には他の国の人よりユーモアがあり、ある種の狂気がある」と、バッゲ

「刑事の視点ばかりでなく、犯罪者の視点で書かれた本も多いのです。フィンランド人は寡黙です。したがって、本の中の台詞はシンプルで現実的であり、重みがあるのです。」

暗い雪の夜に

Photo: Vesa Moilanen/LehtikuvaNordic Cool 2013, Nordische Kriminalromane noir, finnische Kriminalromane, Tapani Bagge, James Thompson, Leena Lehtolainen, Jarkko Sipilä, Helsinki, Finnland
「ノルディック・クール2013」のスカンジナビア犯罪小説のイベントでフィンランドを代表した作家ヤルッコ・シピラ

3人の作家は、作品における季節の重要性について意見を共有する。レヘトライネンは、季節は背景以上の役割をもち、天候状況は特別な意味を持つという。そして、季節によってフィンランド人は行動も変わる。「冬の暗さは私たちを憂鬱にさせます。」

「僕にとって、フィンランドの冬を舞台とした話を書いているとき、天候状況は非常に重要な要素。まるで登場人物がもう1人いるようなものです。」とトンプソン。「冬は、生活の全てに影響を及ぼします。フィンランドでは、冬を中心に生活が調整されます。冬は、私たちの一部であり、主人公であり、葛藤の源です。フィンランドで暮らす者を形作るものです。」

「太陽の光があまり届かない暗い日が長く続くと、暗いアイディアが浮かびます。」とバッゲは現実的に話す。「冬であれば、凍った湖水や森の雪の吹き溜まりに死体を隠すことができます。」

「そして春が来ると、冬のあいだ行方不明と報告された者の多くかほとんどが、解けた雪から死体となって出てくるのです。」と、トンプソン。


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Leena Lehtolainen

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更新 2014/11/10


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