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フィンランド外務省

日本はフィンランドとノルウェーの女性活躍推進法から学べるか - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

フィンランド大使館、東京

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最近の出来事・お知らせ, 2015/03/30

日本はフィンランドとノルウェーの女性活躍推進法から学べるか

駐日フィンランド大使館は3月16日、セミナー「女性はすべてを手に入れられるか?フィンランドとノルウェーの経験を、日本と韓国のために」を国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、駐日ノルウェー王国大使館とともに開催した。目玉の討論会では、フィンランドの首相経験者でもあるマリ・キヴィニエミOECD事務次長と、ノキアソリューションズ&ネットワークスでセールスディレクターを務めるウッラマイヤ・シモラ氏も登壇した。

IMF seminar participants, IMF seminar participants
魅力的なパネリストの顔ぶれ:左から小林氏、キヴィニエミ氏、ナフスタ氏、シモラ氏、司会のブレック氏、木下氏

当日は肌寒い雨が降っていたものの、約100名の参加者が会場となったノルウェー大使館に駆けつけ、女性の社会的地位向上という注目の話題に聞き入った。最初に発表したのは、IMFアジア太平洋地域事務所次長を務める木下裕子氏。ファン・グオ氏との共著であるワーキングペーパー「アジア先進国における女性就業率の向上のために」をもとに話を進めた。高齢化に直面する日本と韓国は、どのようにして女性の労働市場参加を増やしながら出生率も上げられるのか。二人が比較検証したのは、1970年代に労働年齢人口の縮小と女性就業率の低迷に悩んだフィンランドとノルウェーだ。研究の結果、一般通念に反して正規雇用の女性のほうが非正規雇用の女性よりも出生率が高い傾向があること、母親が働き続けるためには小学校低中学年に当たる6~11歳児の育児への公共支出も増やす必要があることなどがわかった。

Mari Kiviniemi
フィンランドの首相経験者でもあるキヴィニエミOECD事務次長は法律の重要性を説いた

その後続いたパネルディスカッションには、IMFアジア太平洋地域事務所所長を務めるオッドパー・ブレックを司会に、女性5名が椅子を並べた。顔ぶれは木下氏、キヴィニエミ氏、シモラ氏、ノルウェー出身でスタトイル アジアパシフィック社長のヒルデ・メレーテ・ナフスタ氏、そしてANAホールディング、三井物産、サントリーホールディングスで社会取締役を務める小林いずみ氏。討論内容は木下氏の研究発表を裏付けるもので、フィンランド出身の登壇者2人ともが自国の安価で良質な保育サービスや、子どもが3歳になるまで職場での地位を保証する法律などを賞賛した。

キヴィニエミ氏はOECDの観点から、またフィンランドの首相経験者で母親という立場からも法律の重要性を強調した。フィンランドでは1996年に法改正が行われ、母親の就労有無に関わらず誰もが保育園に入れるという主体的権利が子どもに与えられた。これによって自治体は、たとえ夜間保育が必要な子どもにも安くて良質なサービスを提供することが義務付けられた。一方でシモラ氏は、柔軟な補助金制度について言及。あらゆる保育サービスの選択肢があり、彼女自身も早期復職のために安価でベビーシッターを雇うことができたという。また雇用主側の対応も柔軟で、ノキアでは子育て世帯には便利な在宅勤務が可能だということを紹介した。

Ulla Maija Simola
ノキアで働くシモラ氏は、フィンランドの柔軟な育児制度やサービスを賞賛した

日本については、女性の正規と非正規雇用についての問題に集中した。正規雇用の女性のほうが出生率が高いという調査結果がある一方で、日本では母親はフルタイムで働けないという固定観念が根強く残っている現状がある。これは、日本の悪名高い長時間労働と関係している。「労働時間の長さで評価するという(企業文化を)根本的に変えないと、(日本は)変われない」と、小林氏は語気を強めた。「それぞれの組織のリーダーが自分たちのカルチャーを変えるんだと(決意し)、それを社会や国民が評価するというのが大事」。質疑応答の時間では、シングルマザーへの支援や母親の転勤問題などが取り上げられた。

セミナー後はノルウェー大使公邸でレセプションが開かれ、マヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使が乾杯の挨拶を述べた。会場には、フィンランドの出生率を上げるのにも一役買っている育児パッケージが展示された。外は移ろいやすい春の気候が冷たい雨を降らせていたが、室内は白熱した議論が続き熱気であふれていた。

Photos by Annukka Timonen. Photo credits to the Embassy of Finland in Tokyo

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更新 2015/03/30


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