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フィンランドのパンクグループPKN、ユーロビジョン・コンテストに初出場  - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2015/05/15

フィンランドのパンクグループPKN、ユーロビジョン・コンテストに初出場

ヨーロッパ最大のユーロビジョン・ソング・コンテストに出場する今年のフィンランド代表はさまざまな面でユニーク。すでに世界中のメディアの関心を呼んでいる。

Photo: Markku Ulander/Lehtikuva
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PKNは予選を勝ち抜き、フィンランド代表として5月下旬の大舞台に進むことに

60年の歴史をもち、近年2億人もの視聴者を魅了するようになったユーロビジョン・ソング・コンテストでは、親しみやすいポップスや甘いバラード作品が主流だ。例外は2006年のこと。フィンランドのモンスターメタルバンド、ロルディ(Lordi)が史上初めてハードロックバンドとし出場し、大差で優勝した。今年のフィンランド代表は、それ以上の快挙になるのではと期待され、この記事を書いている時点の賭け屋の予想で、40カ国中2位につけている。

4人組バンドPertti Kurikan Nimipäivät (ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト、略してPKN)が歌う『Aina mun pitää』 (意味:いつもしなくちゃいけない)は、フィンランド予選を勝ち抜き、5月下旬にウィーンで開催される準決勝と決勝戦で演奏される。

社会への不満を表現

PKNはコンテスト史上初のパンクバンドであるばかりか、曲も最も短い。だが注目すべきはそれだけではない。メンバー全員が自閉症などの知的障害をもっているのだ。バンドは2009年、ヘルシンキにある障がい者向け特別訓練センターで結成。以来、PKNはヨーロッパとアメリカでツアーを行い、2012年には過激でありのままの彼らを追ったドキュメンタリー映画『パンク・シンドローム』が数々の賞を受賞、PKNの評判は世界中に広まった(日本ではEUフィルムデーズ2015で上映。上映日は6月7日と16日。そのほか上映情報はこちら

Photo: Sony Music
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ポップで華やかな舞台なユーロビジョンのイメージとは程遠いPKNの参戦は、世界中のメディアの関心を集めている

本作は、社会制度への不満をパンクで表現するメンバーたちの姿を映している。ボーカルのカリ・アールトは「施設で暮らすなんてまっぴらさ。リスペクトと尊厳が欲しいんだ!」「国会なんて大っきらい、この世界はうんざりさ」といった歌詞を叫ぶ。

ギターのペルッティ・クリッカは発話が時々難しいが、ふつふつとした思いをギターに全力でぶつけ、率直で時にはドキリとさせられる詩や描写を生みだす。彼らの音楽については、イギリスのオンラインロック・ポップカルチャー誌『The Quietus』など、世界の様々なサイトで紹介されている。

PKNは、今回のコンテストのために彼らのスタイルを変えることはないと語る。クラブのようにキラキラ輝くユーロビジョンの華やかな舞台に、70年代風パンクの革ジャンを着た4人の冴えない中年男性が立つ姿はすばらしくシュールになりそうだ。

メディアはPKNのパンク精神に注目

ポップからほど遠いグループがユーロビジョン・コンテストの派手な世界に飛び込むニュースはメディアの関心を呼んでいる。

PKNがフィンランド代表に選ばれるかなり前のこと、アメリカのパンクのパイオニア、デッド・ケネディーズは150万人ものフォロワーがいるフェイスブックでPKNを紹介する記事を推薦している。ウェブサイトDeath and Taxesは、「メンバー全員がダウン症」と間違って紹介したものの、PKNを高く評価する記事を掲載した。読者たちは、これこそパンクの本来「誰もができる」「反権威主義」の精神を体現していると賞賛した。

Photo: Markku Ulander/Lehtikuva
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PKNの反響は議会にまで伝わっている

ニュージーランドの3Newsは「ユーロビジョン・ソング・コンテストに出場する初の純粋パンク」、トロント・スターは「みんなフィンランド代表を支持するに違いない」とコメントし、アメリカのBuzzfeedは「彼らはまさにロックだ」と書いた。アラバマ州バーミンガムのFox News局はPKNの「わずか1分25秒の熱狂的な歌」を熱く紹介した。ルーマニアのAdevărul紙は、「このユニークな選出は、ショービズ界での障がい者に対する見方を完全に変えるだろう」と書いた。

イギリスのインデペンデント紙はPKNのユーロビジョンでのねらいは「関心を集めるため」と誤解を与える報道をしていたが、BBCのインタビューでバンドのベース担当サミ・ヘッレがその見方を否定した。「みんなの態度を変えることが一番の目的じゃないよ」「一番は、会場に行って良いパフォーマンスをすること。音楽が一番なんだ。だって音楽は僕たちにとって大切なものだから」と答えている。

しかし、ヘッレはいずれ政治の世界に関わりたいと言う。最近、国連の障がい者に関する権利条約について議員たちと話をするため、議会を訪れた。ちょうどその日は7年も遅れて、議会が批准を暫定的に承認した日だった。

「この国で、平等だと感じたことは一度もない。この日は僕にとってとても重要なんだ」と、ヘッレは語る。「この日をずっと待っていたんだ」

ユーロビジョン・ソング・コンテスト

パンク・シンドローム公式サイト

EUフィルムデーズ2015(『パンク・シンドローム』の上映日は6月7日と16日)

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更新 2015/05/27


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