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フィンランドで新政権が始動 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2015/07/02

フィンランドで新政権が始動

By Unto Hämäläinen for this is FINLAND

フィンランド最大の日刊紙ヘルシンギン・サノマットの政治記者ウント・ハマライネンが、新連立政権に対する期待や課題を分析する(下記は日本語の要約)。

Photo: Antti Aimo-Koivisto/Lehtikuva
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国民連合党のストゥブ党首(左)は、首相の座を中央党のシピラ党首に引き渡した

フィンランドの主要政党は、4月19日に行われた選挙直後から連立交渉に入った。5月29日にようやく誕生した新政権は、議席数を多く勝ち取った保守派の中央党、ポピュリストのフィン人党、そして穏健保守派の国民連合党による3党から構成されることになった。中央党と国民連合党は昔から政権を担ってきた伝統的な政党だが、フィン人党が連立を組むのは今回が初めて。フィンランド議会の定数200議席のうち、124議席を獲得した3党は過半数による優位を享受することになる。

新首相を務めるのは、中央党のユハ・シピラ党首(54)。2011年の選挙で初当選し、翌年に党首の座を任された。成功を収めた実業家として知られ、政界に入る直前はIT大手のCEOだった。中央党は2011年選挙で敗北したものの、今回は35議席から49議席まで伸ばし、与党に返り咲いた。

Photo: Antti Aimo-Koivisto/Lehtikuva
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新しい内閣の顔ぶれを発表するシピラ首相(中央)。ストゥブ財務相(左)とソイニ外相が両脇を固める

そんな中央党が野党だった4年間、同じ立場で政権を批判していたのがフィン人党だ。2011年の選挙では、たった5議席から39議席まで伸ばし、その記録的な躍進ぶりでフィンランドの選挙史を塗り替えた。だが当時は、フィンランドを含むEU加盟国がギリシャとポルトガルに支援提供するのに猛反対し、政権入りしなかった。今回の選挙でも38議席を獲得し、人気ぶりを維持。過去18年間党首を務めてきたティモ・ソイニが外務大臣に就任した。

第3党として連立入りしたのが国民連合党だ。前政権最大の政党だったが今回は敗北に終わり、7議席減らして37議席のみとなった。今年4月まで首相を務めていたアレクサンデル・ストゥブは財務大臣に「降格」した。

新政府プログラムの中身

シピラ首相率いる新政権は、外交と防衛政策において現行維持を目指している。フィンランドは正式には「非同盟」の立場を貫く一方、将来的には北大西洋条約機構(NATO)加盟の可能性も残しておきたい意向だ。スウェーデンとの軍事協力は強化される。

Photo: Antti Aimo-Koivisto/Lehtikuva
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記者会見に向かう新任の閣僚たち

隣国ロシアとは、良好関係維持を目指しながら、EUによる対ロシアの経済制裁も承認し続けている。一方、ウクライナ危機によってバルト海域の安全保障が弱体化したというのが、専門家の見方だ。新政府の任期中に、現況についてより深く調査されることになる。新政府のプログラムによれば「フィンランドの安全保障・防衛政策について報告書をまとめ、これに関連してフィンランドがNATOに加盟した場合の影響について評価する。また防衛力の維持・開発・行使に関する防衛政策ガイドラインを定義した防衛報告書も用意する」ことが予定されている。

また新政府のプログラムには、EU政策に関連する3つの重要な声明が含まれている。

1) EUは最も重要な課題に焦点を絞らなくはならない。すべての政策において統合を深める必要はない。

2) 政府はユーロ危機に関して、フィンランドの負債を増やしかねない対処法には反対する。

3) EUはフィンランドにとって重要な安全保障共同体である。フィンランドはEUの共通安全保障防衛政策の強化と、安全保障戦略の改革を支持している。

多分野で大幅なカット

フィンランドが連立交渉をしている真っ只中、欧州委員会から悪い知らせが舞い込んだ。ユーロ圏全体における来年度の経済成長率が1.9%と予測されているのに対し、フィンランドの経済成長率はたった1%だというのだ。フィンランドへの投資も、4年連続で減少している。
欧州委員会によれば、フィンランドは安定成長協定が定める基準を順守できない。年間財政赤字は3%を上回る見通しで、政府債務残高も国内総生産(GDP)の60%を間もなく越えそうだ。

Photo: Martti Kainulainen/Lehtikuva
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苦笑いしながら記者をかわすシピラ新首相

新政府は公共部門の財務を強引に見直す予定だ。40億ユーロを捻出するための項目はすでに列挙され、防衛以外の公共部門すべてがコスト削減を強いられる。とくに社会保健サービス、教育、ビジネス助成の分野でのカットが想定される。

政府の概算によれば、フィンランドの競争力は主要な競合国と比べて10~15%ほど下落した。再び競争力を高めるためには、労働組合との社会契約の見直しによる事実上の賃金カットなどが含まれるが、そう簡単にいきそうもない。新政府の船出は荒波にもまれそうだ。

全文はthis is FINLANDの記事をご覧ください。

シピラ内閣の顔ぶれ(英文ページはこちら
総理大臣      ユハ・シピラ(中央党)
外務大臣     ティモ・ソイニ(フィン人党) 
貿易・開発大臣 レニタ・トイヴァッカ(国民連合党)
法務・雇用大臣 ヤリ・リンドストロム(フィン人党)
内務大臣 ペッテリ・オルポ(国民連合党)
防衛大臣 ユッシ・ニーニスト(フィン人党)
財務大臣 アレクサンデル・ストゥブ(国民連合党)
地方行政・公共改革大臣 アヌ・ヴェヘヴィライネン(中央党)
教育・文化大臣 サンニ・グラーン=ラーソネン(国民連合党)
農林・環境大臣 キンモ・ティーリカイネン(中央党)
運輸・通信大臣 アンネ・ベルネル(中央党)
経済大臣 オッリ・レーン(中央党)
社会保健大臣 ハンナ・マンテュラ(フィン人党)
家庭・社会福祉大臣 ユハ・レフラ(中央党)

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更新 2015/07/03


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