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専門家を招いてのネウボラ・シンポジウム、全国から参加者集まる - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2016/03/30

専門家を招いてのネウボラ・シンポジウム、全国から参加者集まる

切れ目のない子育て支援として知られるフィンランドのネウボラのエッセンスを取り入れた取り組みが、日本の150を超える自治体で導入され始めている。それに伴ってフィンランドの本家「ネウボラ」への関心が高まり、3月17、18日にフィンランド国立保健福祉研究所のネウボラ専門家トゥオヴィ・ハクリネン博士を招いて開催されたシンポジウムには全国から合わせて約450名が集まった。

「日本でもネウボラの取り組みが各地で始まっていること、嬉しく思っています」と、国立保健福祉研究所(THL)のネウボラ専門家、トゥオヴィ・ハクリネン博士は語る。ハクリネン氏はネウボラ保健師として長年現場に勤め、キャリアと研究を積み、現在は政策立案や法改正の提言、指針作り、全国のネウボラのモニタリングや人材育成・研修をリードしている。

neuvola symposium
基調講演をするハクリネン博士。右は吉備国際大学の高橋睦子教授。

ハクリネン氏を基調講演者として迎えたネウボラ・シンポジウムは、3月17日に東京、18日に大阪で開催された。集まったのは主にネウボラを始動させた、もしくはこれから導入を検討する自治体の職員や保健師、看護大学などの教育関係者、地方議員など。二日間で約450名が集まり、質問が相次ぐなど、関心の高さが伺われた。

ネウボラは妊娠期から子供が小学校にあがるまで、一貫して母子のみならず家族全体の心身の健康と幸せを健診を通じて把握し、支援していく制度である。1920年代に生まれ、1944年に法制化された。健診回数や内容は、常に時代や科学的根拠に基づいて改良されている。現在の健診回数は、妊娠期間中に少なくとも8-9回、出産後に15回で、子どもや家族の必要に応じて健診は追加される。研究によると、定期健診によって支援の必要性が早期に判断でき、より的を絞った的確な支援が可能になるという。

Photo: Kimmo Brandt
neuvola laajatarkastus
総合健診や両親学級はもちろん、最近では通常の定期健診に父親が一緒に来るケースも増えている

さらに2011年から総合健診と呼ばれる制度も始まった(計4回)。総合健診は、母子だけでなく父親も対象としており、家族全員の健康と幸せを測る。実際に面談し、親業の様子や生活習慣、夫婦関係などを対話で探り、必要なアドバイスや支援をしていく。総合健診には保育士や医師の所感も含まれ、まさに子供をとりまく全ての人たちを巻き込む。この制度は長年の研究から生まれたもので、子供の健康と幸せのカギは、両親の健康と幸せにあることがわかっている。両親の状況を知り、ストレスを減少させることで、家庭崩壊や家庭内暴力などの問題を防いでいく。

「でも、これらの健診は決して子供や親に烙印を押したり、責めたりすることではないのです。職員は両親の状況をできるだけ早期に把握し、寄り添い、両親と共に必要な支援を考えます。総合健診によってネウボラ職員は、前よりも早く家族中心の支援を進めることができ、専門スキルの維持もできるのです。それに、良いネウボラサービスのためには、ネウボラ職員の人材育成が非常に大切なことは言うまでもありません。毎年の職員研修では、新しい研究結果や現場での成功事例などを紹介します」と、ハクリネン氏は言う。

Tuovi Hakulinen with Fintan
ハクリネン博士は「子どもに早期に投資をする方が、リターンが大きい」と語る。

ネウボラは各自治体の運営に任されているが、各地域で大きな格差や不平等が生じないようサービスの枠組みは法律で支えられ、現場向けの統一されたマニュアルも存在する。長年の研究によると、国や地域の人材投資といった観点で、早い段階で子供に投資をする方が、リターンも大きくなるという。実際に特別な支援を必要としているのは約2割の子供や家族だが、全ての家族はどこかの段階で助けを必要とする。早期のうちに支援することが、余計なストレスや高額な支出を避けることにつながる。だからこそ、ハクリネン氏は「全ての妊婦、子供たち、親を対象とすることが大切」と強調する。フィンランドでのネウボラ利用率はほぼ100%に近く、ほとんどがサービスに満足している。それでも、「改善の余地はあるし、私は満足度100%を目指したい」とハクリネン氏は意気込む。

日本とフィンランドでは制度や文化の違いがあるので、そのまま導入するのは難しいが、「フィンランドが長年培ってきた経験と知識が、日本に合った形のネウボラサービスの発展に役立てば」とハクリネン氏は語る。そして最後に「子供への投資は大きな実を結ぶ」と、結んだ。

Link
フィンランドの子育て支援
THL国立保健福祉研究所

フィンたんがネウボラに行ってみたらどうなるのか・・・?楽屋でハクリネンさんに健診の様子を演じてもらいました。手前に両親がいると想像しながらご覧ください。通常、健診時間は約1時間。前半はメディカルチェック、後半はこういった対話となります。

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更新 2016/04/08


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