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フィンランドサッカー界に吹く新風ーーHJKヘルシンキ 田中亜土夢選手 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース

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最近の出来事・お知らせ, 2017/01/18

フィンランドサッカー界に吹く新風ーーHJKヘルシンキ 田中亜土夢選手

Photo:Jussi Eskola
Atom playing
ヴェイッカウスリーガで活躍するHJKヘルシンキの田中亜土夢選手。二年連続フィンランドのベストイレブンに選ばれた。

今からちょうど2年前、一人の日本人サッカー選手がフィンランドのプロサッカーリーグ「ヴェイッカウスリーガ*」にデビューした。彼の名前は田中亜土夢。アルビレックス新潟で活躍していた田中選手が強豪チームHJKヘルシンキに移籍したことは、フィンランドでも大きく報道された。その後の彼の活躍は目覚しい。移籍直後からゴールを決め、フィールドで躍動する背番号10の田中選手の写真は頻繁にスポーツ紙面を飾っている。2015年、2016年と二年連続フィンランドのベストイレブンに選ばれ、仲間やファン、メディアから親しみを込めて「Atom」と呼ばれる田中選手に、一時帰国していた昨年11月、話を伺った。

- フィンランドでプレーをすることになった経緯を教えて下さい。

田中: 海外でプレーすることを決心し、2014年末にアルビレックス新潟との契約更新を辞退しました。一度フリーの状況になって、海外からのオファーを待っていたところに、フィンランドから打診があったんです。その3時間後に行きますと返事をして、三日後にフィンランドへ出発。到着した翌日から練習に合流して、その二日後にフィンランド・リーグカップに出場、デビュー戦で初ゴールを決めました。

-フィンランドからオファーがきて、どう思いましたか?

田中: はじめはフィンランドと言ってもイメージがなくて、すぐに何があるのか調べてみたらムーミンとかマリメッコとか出てきて、初めて知りました。でも、ためらいはありませんでした。

Photo:Jussi Eskola
Atom Tanaka
チームメートと勝利を喜ぶ田中選手。周りとのコミュニケーションもだいぶとれるようになった。

-実際にチームに合流してみてどうでしたか。

田中: チームにはいろいろな国の選手がいて基本的には英語が共通語なのですが、はじめから通訳なしだったので、その部分で少しとまどった部分がありました。ただ、プレーで見せれば、選手たちも監督も納得するだろうと思い、最初の練習からいいパフォーマンスをしようと思って入りました。

―その後のコミュニケーションはどうですか。

田中: 英語にだんだん慣れてきて、何を言ってるのか、戦術などもわかるようになってきましたし、周りとのコミュニケーションもだいぶとれるようになりました。フィンランド人はやはりフィンランド語で話しかけると喜んでくれるので、チームメイトに言葉を教えてもらったり、フィンランド語の歌を覚えて披露したりしています。あとはマジックが好きなので、それを見せたり、折鶴を作ってみたりして距離を縮めています。

サッカーをやっているとそこまでフィンランド人はシャイだと感じませんが、みんなで飲みに行く機会があって、その時はすごいと思いました。飲み始めて、みんな一気にテンション上がって普段と全然違う。でも次の日になると普通に戻るんですよね。

-子供の頃から海外でのプレーを考えていたのですか。

田中: そこまで考えていなかったですし、海外リーグの試合を見ることも少なかったです。意識し始めたのは、日本のJリーグの試合に出始めてある程度やれるなと自信が出てきてからです。元々海外に住んでみたいという夢がありましたし、海外でミニクーパーに乗るという夢もありました。その通りフィンランドで今乗っています。でも、英語は特に勉強していなかったので、行ってから始めました。聞く方は慣れましたが、自分の意見をビシッと言えるようにはまだなっていません。まだこれからですね。

-プレーやクラブの運営で日本とフィンランドの違いはありますか。

田中: まったく違います。フィンランドのリーグは日本に比べて観客動員や運営面でもそこまで規模は大きくないですね。やっぱりアイスホッケーが一番なんだと思います。選手の知名度も違います。新潟時代はサポーターも多くて、練習も毎日見に来てくれたり、選手がサインをするファンサービスも多かったですが、フィンランドは試合が終わるとすぐに帰ってしまう人が多いですね。ただ、ヨーロッパの舞台でできる、というのは大きなメリットです。ヨーロッパリーグなどで強豪チームや選手とプレーするのは日本では経験できないので、それがフィンランドでプレーする決め手ではありました。

―フィンランドサッカーのレベルについて教えてください。

田中:フィンランドはサッカー界の中ではそこまでレベルは高くないので、やはり上を目指している人はすぐに他の国へ出て行ってしまいます。フィンランドの代表選手は海外でプレーしている人が多いです。ただ、サッカーの人気は上がってきているので、サッカーをする子供たちが増えて、環境がもっと整えば、レベルは上がっていくと思います。

-フィンランドでの暮らしはどうですか?

田中: 人も温かいし、片言の英語でもちゃんと聞いてくれるし、治安も良くて住みやすいと感じます。街の雰囲気も好きですし。でも税金が高いですけどね。2日ぐらいオフがあれば、国内外のいろいろな場所に遊びに行ったりしています。

それと、こちらのクラブは拘束時間が短いですね。集合して、ミーティングして、練習して、トータル3~5時間ぐらいしかないので、練習が終わったら自分の時間です。自由時間には犬の散歩をしたり、カフェをまわったり、買い物に行ったりしています。それから、一週間の練習スケジュールも日本と違います。もちろん監督によっても差はあると思いますが、日本は試合の次の日にリカバリートレーニングがあって、その次の日が休みなんですが、フィンランドは試合の二日前に休みがあるんです。面白いですよね。一回しっかり休んで体を休めてから、前日練習をして試合に挑むという流れを作っているんだと思います。日本では体験した事のないスタイルです。

Atom by lake
オフにはフィンランド国内外へ出かける。サウナも大好きだという

-今後の目標を教えてください。

田中: フィンランドでとてもいい経験ができているので、これをステップアップとしてさらに上のレベルを目指して他の国に行きたいですね。今回怪我をしてしまったので、今はしっかり治して、機会があれば次を考えたいと思っています。

ただ、僕がフィンランドで頑張ることで、サッカーを通じてフィンランドやフィンランドのサッカー界に興味を持ってくれる日本の方が増えたら嬉しいです。それに次に続く日本人サッカー選手に道筋をつけることが僕の役目だと思っているので、そのためにも頑張ります。

Photo:Petri-Artturi Asikainen
Atom wearing Formal Friday
11月に開催されたフィンランドライフスタイルウィークでは、メンズブランドFormal Fridayのアンバザダーもつとめた。 

*ヴェイッカウスリーガ(veikkausliiga):フィンランドプロサッカーリーグの最上位リーグ。シーズンは4月から10月で、現在12チームで構成される。田中選手が所属するHJKヘルシンキは最多優勝回数を誇る。昨シーズンの優勝はオーランドのIFKマリエハムン。

LINK
田中亜土夢オフィシャルページ
HJK ヘルシンキ
HJK日本語公式ツイッター

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更新 2017/02/06


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