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エコで美味しい昆虫料理 - フィンランド大使館・東京 : 最新ニュース : お知らせ

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最近の出来事・お知らせ, 2018/01/29

エコで美味しい昆虫料理

Credit: Hernan Patiño
フレッシュハーブと揚げたコオロギのパスタ
フィンランド人シェフ、トピ・カイレニウスがつくったフレッシュハーブと揚げたコオロギのパスタ

フィンランドの食品大手ファッツェルが昨年、昆虫の粉末を練り込んだ「コオロギパン」を発売したことが、日本でも話題になったのは記憶に新しい。フィンランドで昨秋、昆虫食の生産と販売が許可されたことで、環境に優しく栄養価の高い昆虫食の可能性に注目が集まっている。

虫を食することに抵抗を感じる人がいる一方、最近では「環境に配慮した賢い選択」として昆虫食に目を向ける人も増えている。国連食糧農業機関(FAO)によれば、牛肉1キロを生産するには、飼料を育てるのに必要な分を含む2万2000リットルの水を要する。畜産を営むには広大な土地も欠かせない。世界人口が急激に増えるなか、牛肉など食肉の需要も高まる一方だ。牧畜という従来の方法が環境に負担をかけていることは否めない。

そこで脚光を浴びるのが昆虫食。タンパク質含有量が最大25%もあるコオロギは牛肉に匹敵するばかりか、僅かな水と肥料と場所があれば育成できる。食用に適しているのはイナゴやシロアリ、ゴミムシダマシ、ハチの幼虫、毛虫や甲虫と種類も幅広い。ビタミンとミネラルが豊富で、育てるのにバイオ廃棄物が使えて大量かつ短期間で生産でき、結果的に温室効果ガスの排出量も減るのであれば、昆虫を食用に使わない手はない、というわけだ。

固定概念を取り払って広がる世界

Credit: Hernan Patiño
カルヤライネン率いるEntocube社では、コオロギを小さな箱で飼育
カルヤライネン率いるEntocube社では、コオロギを小さな箱で飼育。牛の鳴き声の代わりに、草などを噛み続ける音が聞こえるという

フィンランドのタンペレ市で開催された試食イベントBugs love beerでは、参加者が昆虫料理に舌鼓を打っていた。メニューは、ゴミムシダマシと芽キャベツでトッピングしたチェリートマトのハリッサ和え、コオロギの粉末を使ったレンティルと人参、玉ねぎのミートボール風など。「試食イベントを開催するときには、参加者の質問に答え、昆虫食には環境的かつ経済的なメリットがあることを説明しています」と、シェフのトピ・カイレニウスは言う。「そして最後はもちろん、昆虫をいかに美味しく調理できるかを体験していただきます」

世界の多くでは昔から食虫文化が存在し、今でも普通に食べられている。ただし、そうした文化がない地域では偏見が根強いのも事実だ。こうした考えを取り除くべく、フィンランドで昆虫料理のシェフとして有名なカイレニウスは頻繁に試食イベントを開いたりメディアに登場して昆虫食の有用性をアピールしている。

フィンランドのEntocube社では、ヘルシンキでコオロギを飼育し、コオロギ関連の食材以外に飼育キットも販売している。ペルットゥ・カルヤライネンCEOによれば、昆虫食に対するメディアの取材が後を絶たない。「今や虫を食するのがトレンドになっています。フィンランド人が環境問題意識をさらに高めれば、この流行も広がりを見せるでしょう」

グローバル化する昆虫ビジネス

Credit: Hernan Patiño
Nordic Insect Economy の創立者ヴェッケリ
食用コオロギを手に取って見せるNordic Insect Economy の創立者ヴェッケリ。右手にあるのが昆虫料理本

フィンランドのトゥルク大学が2016年に行ったオンライン調査によれば、フィンランド人回答者の70%が昆虫食に対して「興味がある」と答えた。スウェーデンでは40%未満、ドイツでは25%などヨーロッパの多くの国で関心が低かったのとは対照的だ。トゥルク大学では「食物連鎖のなかの昆虫」という2カ年計画に参加し、フィンランドにおける食虫のあらゆる側面について研究した。プロジェクトリーダーのヤーッコ・コルペラはこう語る。「企業と研究者の連携によって食虫に関する新しいノウハウを支援するのが目的です。また食虫産業がグローバル化するなかでフィンランドを最前線に置きたいと考えています」。

サントゥ・ヴェッケリがNordic Insect Economyを創立したのは2014年のこと。食虫の安全性と加工をはじめ、倫理的・環境的・社会的側面について検討するためだ。「ヨーロッパ、アメリカ、アジア各地に飼育場があります。またすべての気候帯で大量生産できる設備が整っています」。フィンランド初の食虫起業家を自負するヴェッケリは、食虫ビジネスに必要なツールや機械をフィンランド南東部の町コウヴォラで開発している。

昆虫をアラカルトで

Credit: Hernan Patiño
食虫に関する人々の意識を変えたいと意気込むシェフのカイレニウス
食虫に関する人々の意識を変えたいと意気込むシェフのカイレニウス。試食イベントのために用意したオードブルは、薄切りメロン、ベリー、そして揚げたコオロギをまぶしたレタスサラダ

昆虫食ブームを後押しするのが、2018年1月からフィンランドをはじめとするEU加盟国で施行された新しい食品規制だ。「このNovel Food Regulationは、あらゆる食虫商品を網羅しています」と、フィンランド農林省食品保健課のレーナ・マンノネンは言う。古い規制は記述が曖昧だったため、デンマークを含む数カ国が数年前から独自の解釈によって食虫の販売を行っていた。フィンランドも乗り出したところ、昨年9月にフィンランド農林省が昆虫食の生産と販売を許可すると発表。明確な規制や食品安全の確保が必要となった。

記事の冒頭でも紹介したフィンランドのファッツェル社などが、昆虫食に関心を寄せている。たとえば昆虫の粉末は一般消費者にも馴染みやすいパンやクッキー、肉なしミートボール、ピザなどに使える。下記リンクには、イナゴチョコやコオロギクラッカーなど、カイレニウス提案の昆虫レシピを掲載している。

https://finland.fi/life-society/crunch-cringe-finnish-companies-cultivate-insect-cuisine/

from thisisFINLAND, written by Hernan Patiño

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更新 2018/02/16


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