
さまざまな祝祭日がある中でどれが最も大切かということは、時代と共に変化してきましたが、フィンランドでは、 クリスマス 夏至祭、復活祭の三つは今でも最も盛大に祝う祭日です。フィンランド人にとって、長い冬の最も日照時間が少ない時期に訪れるクリスマスは、一家団欒のときです。クリスマスイブ、正午近くになると、古都トウルクから全フィンランドに向けて、「クリスマスの平和」宣言が発せられます。これは中世の法律に基づいた儀式で、法的拘束力は何世紀も前から失っているものの、今でもクリスマス・シーズン到来を告げる慣わしとして愛されています。クリスマス・サウナもイブのお祝いに欠かせません。この日、黄昏どきになると、フィンランド人は墓参りをし家族の墓にろうそくを灯します。その後は自宅で家族揃ってクリスマスのご馳走を楽しみます。 サンタクロース がプレゼントをもって一軒一軒の戸を叩くとき、イブは最高に盛り上がります。
一年で2番目に大切な祝祭日は、クリスマスからちょうど6ヶ月後に訪れます。いつ果てるともしれない冬の夜が夏の白夜にとって代わる時期です。夏至祭 は、暗い季節と明るい季節の差が著しい北ヨーロッパでは、キリスト教が普及する以前から重要な祭りでした。フィンランド北部では、夏至祭には太陽が一晩中地平線上に浮かび、北極圏の幻想的な美しさは頂点に達します。
キリスト教の他の祝祭日に比べると、フィンランドの復活祭には宗教色が強く残っていますが、同時に世俗的慣習も育まれてきました。子ども達は、家の中でお皿に草を生やしたり、イースター・エッグを飾ったり、イースター・カードを作ったりします。(イースターの慣わし )
「棕櫚の聖日」と呼ばれる復活祭直前の日曜日には、子ども達がイースターの魔女に扮し、柳の若枝を手に近所の家々を回ります。この日にちなんだ詩行を唱えることが出来ると、ご褒美にお菓子やお小遣いがもらえるのです。このフィンランドの現代版「魔女」は、スカンジナビアの魔女信仰と東方のギリシア正教の「ヴィルポミネン」が合わさったものです。東方と西方の伝統、また、キリスト教の慣習とフィンランドの迷信が融合した最新の例といえます。
19 世紀には、産業化と都市化によってフィンランド社会に劇的変化が起こり、それが暦にも反映されています。教会や農耕に関連した既存の祝祭日に国民の祭日が加えられ、その結果、今日のフィンランドでは、宗教的祝日と国が定めた祝祭日の両方が暦にあります。現在、約12日程の公的祝祭日がありますが、教会の祝日でないのは、「ヴァップ」 と呼ばれるメーデーと独立記念日の2日間だけです。